ヤマハ シグナスX(se44j) 液晶・メーターパネルの文字が薄く見えない!バイク、スクーターの液晶パネルの偏光フィルム・偏光板を交換修理!門真市の整備士が液晶メーターを完全復活!

今回お預かりしたバイクは、「ヤマハ | YAMAHA シグナス | CYGNUS X」というスクーターです。このバイクはYAMAHAの海外工場、台湾山葉機車(YAMAHA MOTOR TAIWAN)で生産され日本で販売されています。車種区分は「原付二種スクーター」です。

≪ヤマハ シグナスX スペック≫

メーカーヤマハ
モデル名シグナスX
型式SE44J
排気量124cc
発売開始年2009年
燃料消費率40.0 km/L ( 60 km/h走行時)
燃料タンク容量7.1リットル
航続可能距離284.0km(概算値)
燃料供給方式インジェクション
エンジンタイプ空冷4ストローク・単気筒SOHC4バルブ
エンジン始動方式セル・キック併用
最高出力11.0ps(7.8kw)/8500rpm
最大トルク0.93kg・m(9.1N・m)/7500rpm
車体重量(装備重量)122kg
全長・全高・全幅1855mm ×1130mm × 685mm
シート高785mm

125ccでいながらも力強い走り・気持ちの良い加速性能を持ち合わせている人気の高いスクーターです!ちなみにシグナスの事を「スクーター、スクーター」と呼んでいますが、「バイク」という呼び方でも間違いではありません。「バイク」は全ての自動二輪車を指し示す言葉なので、その中にスクーターも含まれているからです。

「バイク」と聞くと、恐らく「オートバイ」を連想される方が多いのではないかなと思います。「オートバイ」と「スクーター」は特徴が全く異なるものなので、簡単に特徴を説明します。

≪オートバイとスクーターの特徴≫

オートバイスクーター
・エンジンが席より前に位置している
・マニュアルトランスミッションが多い
・手動でシフト変更
・ドライバーの身長を考えて購入する必要がある(足が地面に着くかどうか)
・エンジンは席より後ろに位置している
・オートマチックトランスミッションが多い
・自動でシフト変更
・ドライバーの身長を考えなくても乗れる ・収納スペースあり

では今回お預かりしたバイクの故障個所を見ていきます。

液晶メーターが赤すぎて、「?」となる方もいるかもしれませんが、本来はこの赤色の背景の上に黒色の文字がはっきりと出てくるようになっています。うすーく文字とガソリン残量の表示が見えますが、何が表記されているのか全く分からない様な状態になっています。画像の左が電源「ON」状態、右が「OFF」の状態ですが、OFFの状態をしっかり見ると、なんとなく日焼けの跡が見えるのが分かりますでしょうか?

動画で見てみても、全く文字が見えないですね。

このメーターパネルに本来表示される内容は、

・ガソリン残量
・時間
・総走行距離
・エンジンオイル警告灯  

の3つです。

ガソリン残量が分からなければ、気付いたらガス欠に…。何てこともあり得ます。「排気量が125ccのバイクは車検がないので表記されていなくても大丈夫」と思って放置されているライダーさんももしかしたらいるかもしれませんが、その状態もしっかりと法律違反になります。バイクの液晶メーターに表示されている内容は、しっかり表示している状態のまま走行しないと、「整備不良」という名目で違反になります。スクーターや原付等の250cc以下のバイクには車検が必要ありませんが、日常点検や定期的な点検を行う義務があります。

≪日常点検≫

 ・タイヤの空気圧
・エンジンオイル
・ブレーキ
・灯火類
・バッテリー

  ≪定期点検≫

・エンジン点検
・動力伝達装置点検
・ブレーキ点検
・足回り点検
・その他

1年に1回点検するべきではありますが、高頻度・長距離を走行される方はこの限りではありません。バイクの乗り方は人それぞれなので、オイルやタイヤ、ブレーキの劣化具合はバイクによって全く変わってきます。なので、「1年に1回の点検」もしっかり視野に入れつつ、走行距離のことも考えながら点検を行っていきましょう。一般的に2000~3000km走行した際にはオイル交換やタイヤのすり減り具合等の点検を行うべきだと言われていますが、安全を考えるのであれば1000km走行毎に点検を行うのが良いと思います。車と違い、バイクは生身のまま車道を走行しています。少しハンドルを取られてしまっただけで、転倒してしまうリスクもあります。

バイクが事故にあった際の死亡率は、車と比較すると約4倍にものぼるそうです。やっぱり生身で運転している分、事故した際の危険度はかなり上がります。交通ルールをしっかり守って、回りも自分も危険に晒さない運転を日常から心がける事がとても大事ではないでしょうか。

事故はどれだけ自分が気を付けていても起こってしまうものです。自分でできるだけ事故に合わないようにしておく事は最低限必要ですね。

少し話が脱線して、バイクの事故の危険性について話してきました。「できる限り事故に合わない、回りを危険に晒さない」というのにはバイクのメンテナンス、定期点検が必須です!バイクそのものが整備不良で走行中に突然走れなくなってしまったら危険度マックスです!「整備」の中にはもちろん液晶メーターの表示も含まれています。バイクの大事な情報を記載している箇所なので、しっかり見える状態で走行するようにしましょう。

もし乗っているバイクに少しでも違和感や気になる点があれば、すぐにプロの整備士に聞いてみる事をおすすめします。

毎年の交通事故の発生状況については警察庁交通居で毎年発表されています。ここでは年齢別、状況別、ドライバーの状態等かなり詳しく事故の詳細が記載されています。運転する人は車やバイクの危険性を再認識する為にこういった情報も把握しておくのはいいのではないでしょうか!

令和 6年における交通事故の発生状況について

では今回依頼いただいたバイクの修理に話を戻していきます!

バイクの液晶メーターは「偏光フィルター」という素材が一番外側にあります。

≪偏光フィルターとは≫

  あらゆる方向に振動している光を一定の方向になるように調整する
=光の透過を制御し、明暗を切り替える

  PLフィルター(カメラ)やLCDフィルター(液晶ディスプレイ)が存在する

偏光フィルターはこのように光を通すか否か、私たちに文字を認識させるかどうかの重要な部分を担っています。ここに不具合が生じてしまえば、私たちの目には文字は全く認識できなくなってしまうという事です。

今回お預かりしたバイクもこの液晶板の劣化が原因だと思われます。この液晶板の修理は、液晶板部分のみを新品に交換する事によってできます!

この交換作業はかなり細かく難しいものになるので、ご自身で行う事はあまりおすすめできないと思います。分解してその後元に戻せなくなってしまう可能性もあります。

では修理を無事終えたメーターを見ていきましょう。

はっきりと文字が認識できるようになっています!

BEFORE、AFTERを比較するとより綺麗に文字が映っているのが分かりますね!

このように、液晶メーターの文字が見えなくなってしまっても、それは液晶板全てが不具合を生じている訳では無く、液晶板(液晶フィルター)が劣化しているだけの可能性が高いです。

今回はヤマハ シグナスXの液晶パネルの修理を承りました。液晶板(液晶フィルター)の交換により新品同然になった液晶パネルは、走行時にもしっかり視認できるレベルに復活しました!液晶パネルの文字が見えなくなってしまう、文字が薄くなってしまう原因は液晶板の劣化がかなり多いですが、もちろんそれだけではありません。

液晶板以外にもライトの不具合や液晶内部の他の故障が原因になっている可能性ももちろんあります。「液晶ディスプレイの文字が見えなくなった!」⇒「液晶フィルターを自分で交換してみよう!」となってしまうのは危険です。

当社ではしっかりお写真や動画でまずお客様のメーターの不具合の状況を見て、判断いたします。まずは弊社HPにてお客様の愛車のメーター写真や動画をお送りください。担当の者が確認次第すぐにご連絡させていただきます。お急ぎの方は電話でご連絡下さい!

ヤマハ シグナスは5代目まで存在する事はご存知でしょうか?初代が発売された2003年から、現在にかけて5回のモデルチェンジを行っています。「5代目まで」と言いましたが、これは=1型~5型とも表記します。

この1~5までの型式は、それぞれ特徴や性能が違っているので、ヤマハ シグナスの購入を考えている方は自分好みの型式を見つける事から始まると思います。

≪ヤマハ シグナス 比較≫

 発売年エンジン形式燃料供給冷却方式サスペンションメーターライト
1型2003年124cc SOHCキャブレター空冷モノショックアナログハロゲン
2型2007年124cc SOHCFI (フューエルインジェクション)空冷モノショックアナログハロゲン
3型2013年124cc SOHCFI  空冷モノショックアナログ + 液晶LED  
4型2016年124cc SOHCFI  空冷ツインショックアナログ + 液晶LED  
5型2020年124cc SOHC BLUECOREFI  水冷ツインショックフルデジタルLED  

それぞれの特徴

1型

キャブレター式のエンジンで、シンプルな仕組み。シンプルなのでドライバー好みにエンジンのカスタムや調整がしやすい構造になっている。カスタム好きのドライバーにはオススメ!

2型

エンジンがキャブレター式からFI(フューエルインジェクション)に変更。

≪FI(フューエルインジェクション)とは≫

  電子制御でエンジンに燃料を供給するシステム
 ⇒コンピューターでエンジンの状態を認識し、状況にあった最適な燃料量を噴射する。キャブレター式よりも大幅に燃費の向上や排出ガスの削減、エンジン性能の向上等の進化を遂げた。

実用的でもありつつカスタムする事も可能なので、実用的かつカスタム好きな人におすすめ!

3型

⇒デザインが変更され、LEDライト、デジタルメーターが初登場!

デジタルメーターやLEDのライトが新たに採用されたことにより、見た目がかなりモダンな感じに。視認性が向上し、また、シート下の収納容量も増加!デザインにこだわる人や収納力が欲しい方におすすめ!

4型

⇒ドラム式からディスクブレーキにリアブレーキが変更!更に収納力がアップ!

≪ドラム式ブレーキ≫
車輪の内側にあるドラムの中にブレーキシューが搭載されており、ブレーキシューが内側から広がりドラムの壁を押す事で車輪の回転を止める。
・メリット⇒製造コストが低い、密閉性が高い
・デメリット⇒放熱性が悪い、制動力やコントロール性制が低い、水に弱い

  ≪ディスクブレーキ≫
車輪と共に回転している金属のディスクを、「ブレーキパッド」で挟む事によって摩擦を起こし車輪の回転を止める。
・メリット⇒放熱性が高い、連続使用に強い、制動力が強い、水に強い
・デメリット⇒高コスト、パッドとディスクが露出していて泥や砂に弱い  

☆高い制動力を誇るディスクブレーキが一般的
☆ドラムブレーキは軽自動車や小型のバイクの後輪に使用される事が多い

これに加え、収納力も29リットルと3型よりも大きくなっています。収納力がもっと欲しい方や、安全性を重視した方におすすめ!

5型

⇒LEDヘッドライトと電源ソケットが搭載!

LEDのヘッドライトが搭載された事によって夜間の視認性がアップしています。これに加え、12Vの電源ソケットも搭載され、スマホ等の充電も可能に!走行性能と充電等の快適性を求める方におすすめ!