【ホンダ CB400 SF VTEC SPECⅢ(NC39)】バイクの液晶メーターが“液晶焼け”で見えなくなった!経年劣化や日焼けによる液晶パネルの損傷を修理する方法!大阪府門真市の整備士が綺麗に修理!

今回お預かりしたのは、ホンダCB400 SF VTEC SPECⅢ(NC39)のバイクです。4-5月のツーリングベストシーズンがもう終わりを迎えそうな暑さが来ていますね…。

これから来る夏の暑さと紫外線は、バイクへ大きな影響を与えます。今回お預かりしたバイクも、紫外線による日焼けで液晶パネルの文字が見えなくなってしまっていました。また日焼けだけではなく、経年劣化による液晶フィルムの「浮き」の故障も起きていました。「液晶フィルムが浮いてしまう」原因には高温や湿度等も関係します。

故障の症状は上記で述べた通り、「液晶焼け」と「フィルムの浮き」です。

日焼けによる劣化は、文字が薄くなったり部分部分で見えなくなったり、液晶パネルがなんとなく赤黒くなったりという症状として現れます。今回お預かりしたバイク、CB400SFにもそういった症状が出ているのが、画像から見て取れると思います。

同じような症状で悩んでいる方がいましたら、同じく原因は「液晶の日焼け」の可能性が大きいと思います。

「液晶の日焼け」では、一体液晶のどこが損傷しているのでしょうか?

紫外線が液晶に与える影響は大きく、液晶内部の様々な部品が損傷する可能性があります。例えば、「ライト」「液晶分子」「液晶フィルム」等です。この3つの場所を説明するために、まずは「液晶の構造」について解説していきます。

液晶画面はこのように複数の部品によって構成されていて、それぞれが大事な役割を持っています。「液晶分子」「液晶フィルム」が該当する箇所はそれぞれ①と⑤です。

≪液晶パネルの構造≫

① 液晶フィルター出入りする光を制御する
➁ ガラス基板電極部から流れてくる電気が漏れないようにする
➂ 透明電極液晶を動かすための電極 表示の邪魔にならないよう透明度が高い
④ 配向膜液晶分子を一定の方向に並べるためのもの
➄ 液晶(分子)電気が加わると分子の向きが変わり光の通し方が変わる(固体と液体の間の特徴的な性質)
⑥ カラーフィルター赤・青・緑の色のフィルターで、色を表示する

※「ライト」は、パネルの後ろから光を当てて、画面を明るくします。モノクロ表示の液晶では、このバックライトの変わりに「反射板」を使用している場合もある。

 液晶パネルに不具合が生じる原因と考えられやすいのはこの3つの部品です。どの部品も「紫外線」「熱」「砂埃」、様々な外的要因から影響を受けます。そしてこの中で最も損傷を受けやすいのは「液晶フィルター(液晶板)」。液晶板はイラストのように液晶を構成する部品の両外側に位置しています。バックライトからの損傷はないとしても、私たちの目に映る側の液晶板は、紫外線や熱の影響をもろに受けます。つまり1番損傷しやすいという事ですね。

 液晶を構成する部品はどれも大事ですが、特に液晶板は光の透過量を制御する重要な箇所です。➂透明電極によって電圧が生じていない時は、液晶分子はガラスの面と同じ向き、つまり平行に並びます。そして電圧を生じさせるとガラス面と垂直方向に分子が並びます。垂直に並ぶことによって、光が通る仕組みです。

液晶分子の向きが変わる仕組みについては下記の記事で少し記載しておりますので、気になる方はご一読ください。

ホンダ CB400SF VTEC SPECⅢ (BC-NC39)の液晶画面にひび割れ!メーターの文字が薄い、見えない!原因は経年劣化?寿命?焼き付き?液晶メーターの交換は門真市の整備士にお任せ!!

液晶パネルの構造について、そして液晶板が劣化しやすい、という事についてご説明しました。では「液晶板の劣化」の修理方法はどうなるのでしょうか?

修理方法はいたってシンプルです。「液晶フィルム(液晶板)の交換」です。上記の液晶の構造イラストで説明した、①液晶フィルターのみを新品のものに交換する作業になります。

では液晶フィルムを交換する為に液晶パネルを分解していきます。

裏返してネジ外してあらゆるものを外していきます!!

一番最後の写真は、右側だけ既に修理した写真です。これを見れば液晶板が劣化していたことが一目瞭然ですよね。左側が赤黒い色になっている一方で、右側のフィルムは綺麗です。

そしてもう一つの損傷、「液晶フィルムの浮き」ですね。これは下の写真をみてもらえれば分かりやすいかなと思います。

液晶板の左側が少し外れてしまっているのが分かりますでしょうか?

これも液晶パネルに何かしらの不具合が生じる原因になります、今回の液晶板はかなり傷もついていたので、総じて「経年劣化」といってもいいかもしれません。どんなものでも長年使用していると劣化していくものです。バイクもその内の一つですね。

劣化していた液晶板の張替えをした後の様子がこちらです。

左右どちらのパネルも綺麗に文字が見えるようになっています!

BEFORE、AFTERがこちら!!

これで液晶パネルの修理完了です!

液晶板は紫外線の影響を受けやすいと書いてきましたが、もちろん不具合を生じさせない為にはライダーのバイクの保管、保護方法がとても重要です。液晶板の交換といっても「すぐに・簡単に」できるものでは無いですし、もちろん修理費用もかかってきます。

特に夏はバイクへの「熱・紫外線」の負荷が大きくなってくる時期です。そう、これからです!!

バイクの保護方法には様々なものがあるので、是非以下の方法を検討してみてください。

≪バイク保管おすすめ保管方法≫  

・バイク用簡易ガレージ
 ⇒組み立て式かつ放水の布を合わせた簡易的なガレージ。テントと似ている。
  安価で手に入りやすい。
  簡易的ではあるがバイクの全体を守るので、雨風、紫外線から防御できる。
  防犯面では少し手薄。

・ガレージ
 ⇒雨風、紫外線から完全に防御可能。
  バイク以外にも様々な用品を収納できるスぺースがある。
  防犯面で安心。  

・屋根付きの駐車場、カーポート
 ⇒完全にではないが、雨風、紫外線の影響を減らす事ができる。
  風、砂埃の影響は受ける。
  盗難防止対策をする必要がある。

  ・屋根付きの月極駐車場やトランクルーム
 ⇒長期間保管に適している。
  屋内であれば防犯面も雨風、紫外線対策も安心。

このように、バイクを様々な影響から守る方法は沢山あります。お家の状況や周りの環境に合わせて、ご自身で出来る方法でバイクの保管方法を探してみて下さい。

バイクの保管方法に関して詳しくこちらの記事にも書いてあります。気になる方はご一読ください。

ホンダ CB400SF VTEC SPECⅢ (BC-NC39)の液晶画面にひび割れ!メーターの文字が薄い、見えない!原因は経年劣化?寿命?焼き付き?液晶メーターの交換は門真市の整備士にお任せ!!

今回お預かりしたバイクも、液晶板の交換で無事綺麗に修理することが出来ました。これからさらに紫外線は強くなって液晶板も焼けていってしまうので、文字が薄くなってきてしまった方や見えにくくなってしまった方、それ以外でも何かしら液晶メーターに故障が起きてしまった方はご気軽に一度ご相談ください!

弊社のメーター修理技術を豊富に持っている技術者によって大事なバイクを甦らせることができるかもしれません!

弊社HPのお問い合わせフォームより、故障の症状、故障個所の写真を添付してお送りください。担当スタッフが確認次第、すぐにご連絡させていただきます。

今回修理させていただいたCB400、SF(SuperFour)、バイク界の中で圧倒的な人気を誇る1つですよね。特にSFは1992年に登場した後、教習車としても使用されるようになり、老若男女問わず多くの世代になじみ深い人気車種になっていきました。

SB(SUPER BOL D’OR)はSFに“カウル”が装着された2005年に初登場したモデルで、高速運転時の走行性や快適性に特化したものです。SBのカウルについては下記の記事で詳しく記載しています。気になる方はご一読ください。

ホンダ CB400 SUPER BOL D’OR (SB) VTECⅢ SPECⅢ(2BL-NC42)の液晶パネルが日焼けによる劣化で文字が薄い・見えない!?劣化し黒くなった偏光板張替え、門真市の整備士が完全修理!

どちらもバイク好きにとっては名を馳せているバイクですが、その両者に人気の違いはあったのでしょうか?ここではその人気差について時代の流れと共に話していこうと思います。

≪時代別の人気傾向≫

1990年代CB400SFの登場1992年にSFが登場し、発売当初から高い完成度と人気を誇る。
2005年~ 2010年頃SFとSBの人気が二極化2005年にSBが初登場!長距離を走るライダーにとって嬉しい、快適性・安定性が向上した“カウル”装着タイプ。この向上が評価され、ツーリングユーザーからの人気が高まる。
2010年以降SBがSFに勝つ!?SBの“カウル”によってもたらされた長距離の快適性と安定性は、ライダーの「疲労軽減」にも繋がり高く評価される。比較的年齢層の高いライダーに好まれ、SFの人気に追いついていく勢い!
2020年SBがまさかの主流に?教習所で使用される数を含めると、流通数は圧倒的にSFの方が多いです。しかし、教習所で流通している分を除くとSBがSFに勝っている状態に。最後に発売されたモデル、RevoシリーズでもSBの方が入手困難だったと言われています。

≪流通数の比較≫                                                                                                                             

モデル流通台数(推定)
CB400 SF約430台
CB400 SB約240台

SBとSFはどちらもかなり高い人気を誇っていました。だからこそ2022年にCBシリーズが販売を終了してしまったことがなおさら悲しまれますね…。

ちなみに2022年に生産終了した理由は「厳格な排出ガス規制」です。CB400シリーズは長年親しまれてきたもので、基本設計は1990年代初頭のもの。2020年に施工された厳しい排出ガス規制に対応する為にはかなり大幅な設計変更を行う必要があり、生産終了に至ったとされています。

環境を考えればもちろん致し方無いですが、こんな素晴らしいバイクが販売終了だなんて…。現在2025年5月の時点では、CB400の後機モデルは登場していません。

ですが、現在ホンダではCB400の後機モデルの開発に取組中とのこと…!!!期待大ですね!発売するまでには時間がかかると思いますが、気長に楽しみにして待ちたいと思います。