【カワサキ Z400FX】スピードメーターの針が振れる!暴れる!ブレる!跳ねる!  アナログ メーター 速度計 故障 |メーター交換・修理| 大阪 門真 整備

 いつの時代もライダーたちの心を掴んで離さない「カワサキの直4」たち!!

  カワサキは1960年代中頃から北米を意識したマーケット展開を開始しました。この状況下でカワサキが注力したのがZ1でした。その後「ニューヨークステーキ」と言うプロジェクト名の元、4気筒750ccマシーンの開発がスタートします。

 十分な準備の下開発されたマシーンでしたが、一足先にホンダがCB750Fourを発表したため、プロジェクトはCB400Fourを超えるインパクトを求められる事になりました。こうして誕生したのがZ1になります。当時の排気量は900cc、 DOHC 4気筒エンジンのZ1は画期的なメカニズムを実現していました。

 命運をかけて発売されたZ1は世界的な大ヒットとなります。但し国内ではメーカー自主規制で750cc以上のバイクを販売する事が出来なかった為、国内向けにダウンサイズして発売されたのがZ2になります。Z1 900super4からZ2、Z650ザッパー系へと進化を続け、カワサキ直4の第3弾として1979年に誕生、中型4気筒ブームの立役者となったのがZ400FXでした。

 1975年日本の免許制度が改正された事を受け、当時唯一の4気筒だったCB400Fourが生産中止となりました(当時のモデルの排気量が408ccだった事から中免では乗る事が出来なかった為。その後399ccのエンジンが採用された)。ライダーたちが落胆したのは言うまでもありません、そんな時に中型免許で運転出来る4気筒エンジンとして1979年に発表されたマシーンがZ400FXでした。

 中型免許で運転できるオートバイは2気筒モデルが主流の中、当時クラス唯一のDOHC4気筒エンジンとして若者の心を鷲掴みにして爆発的な人気を誇りました。そんな若者を熱くさせたZ400FXのメーターが暴れる(振れる)とのご相談を頂戴しお預かりいたしましたのでまとめたいと思います。

 1975年に免許区分制度が改正され区分は以下の様になりました。

【1975年当時の改正内容】

原動機付自転車免許  : 50cc以下
小型限定自動二輪免許 : ~125cc
中型限定自動二輪免許 : ~400cc
自動二輪免許(排気量制限なし) : 400cc超

このとき、「自動二輪免許」=排気量制限なし、という形で制度が整理されました。

 その後1995年に「自動二輪免許(制限なし)」の区分が廃止され、新たに「大型二輪免許(大型自動二輪)」が創設されました。同時にそれまでの「中型限定自動二輪免許」は「普通自動二輪免許」に名称変更する事になりました。この改正で普通二輪免許と大型二輪免許がはっきりと区別され、400cc超の二輪車を運転するには大型二輪免許が必要になりました。

排気量0~50cc~125cc~250cc~400cc400cc以上
道路交通法車両の区分原動機付自転車(原付)普通自動二輪車(普通二輪)大型自動二輪車(大型二輪)
免許の種類原付免許普通自動二輪車免許(小型限定)普通自動二輪車免許 (普通二輪免許)大型自動二輪車免許(大型二輪免許)
道路運送車両法第一種 (原付第一種)第二種 (原付第二種)二輪の軽自動車(軽二輪)二輪の小型自動車 (小型二輪)
メーカー・ブランドKAWASAKI カワサキ Z400FX
総排気量398cc
エンジン形式空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒

 Z400FXは1979年から1982年まで製造販売されました。

 メーターの針が暴れる(振れる)

Z400FXの針は他のバイクに比べると長いのが特徴です。

日本精機製のメーターです。
日本精機㈱は計器事業において世界的シェアを獲得する会社で、二輪用計器に関しては世界トップシェアの30%(No.1)を誇っています。

 スピードメーターには、アナログ式とデジタル式があります。アナログ式スピードメーターは、スピードや回転数を指針で表示する仕組みで、「機械式」と「電気式」の2種類に分けられます。今回お預かりしたZ400FXのスピードメーターは「機械式(機械式ワイヤードタイプ)」になります。メーターに繋がったギア・ワイヤーが回転を伝達する事でスピードメーター(アナログ計器)が動作します。

【スピードメーター】速度計

前輪からの回転数をワイヤーで伝達する事で内部のギヤが回転し、その回転に応じて針が動きます。
電気式と違いセンサーが不要なので電気系トラブルとは無縁ですが、ケーブルの劣化や摩耗が経年劣化する事で不具合が起こる事があります。

【タコメーター】回転数計

エンジンのクランクやカムの回転をワイヤーで伝えて回転数を針で表示しています。

 機械式メーターはこのアナログ感がクラシックカーらしく、またZ400FXの顔としての存在感を放っています。電気不要なので内蔵バッテリーや電気トラブルによる不具合はほぼ心配いりませんが、ケーブルやギアの摩耗・劣化による不具合は機械式メーターの弱点と言えます。

 ケーブル内部の摩耗や汚れが原因で表示が鈍くなったり、誤差が生じる事もあります。また機械式は内部ギアやワイヤーの精度に左右されるため、劣化すると動きの滑らかさが低下する要因にもなります。

【回転入力の流れ】

前輪
 ↓
スピードメーターワイヤー
 ↓
入力軸
 ├─ ギア列 → オドメーター/トリップメーター
 └─ 磁石ローター → 渦電流 → 針+ダンパー

針とオドメーター/トリップメーターは「同じ入力、別系統」になります

 今回お客様から「針が暴れる(振れる)」とのご相談を頂戴し、メーターを拝見いたしました。メーターの内部にはオドメーターとトリップメーターがあり、真ん中に針が付いています。オドメーターやトリップメーターの数字はちゃんと動いていますので歯車の破損は無いと診断出来ます。異物の入り込みやスプリングの破損も見受けられません。

 フロントハブ側のギアが摩耗していたり、スピードメーターワイヤー内部にほつれなどがある場合は、オドメーターやトリップメーターにも不具合が生じますが、そう言った見解は見受けられません。

 針とオドメーター/トリップメーターの両方に不具合が生じているのであれば、入力軸までに何らかの原因が考えられますが、今回は針の振れだけですので、内部ダンパー系(機能)が原因と診断する事が出来ます。

 ダンパー機能とは針の動きを意図的に鈍らせて安定させる仕組みのことを言います。そのままだと微振動や回転ムラ、ワイヤーのよれなどが針に伝わり針がビリビリ震えたり跳ねたりします。これを抑えるのがダンパー機能になります。針の安定はダンパー機能に左右されると言って過言ではありません。

 また機械式メーターは針が非接触(過電流)制御のため、ダンパーオイルに依存しています。そのままだと微振動が針に伝わって不安定な状態になってしまうのを、ダンパー機能が正常に動作する事で針の動きの質を整えてくれます。

ダンパーが正常に動作している場合はダンパーに不具合がある場合
回転変動:ガタガタ

ダンパーが吸収

針の動き:スムーズ
回転変動:ガタガタ

そのまま針へ伝わる

針:ブルブルや跳ね、振れ

 今回はワイヤーなど特定のパーツの交換修理は必要としませんでした。オーバーホール(≒レストア)する事で症状の改善を図りました。

 内部清掃と針ブレの原因になるダンパーオイルの交換をさせていただきました。ダンパーは針軸の根元にあります。流体抵抗、毛細保持、回転速度依存などが絡む為、一定のボーダーラインを超えると一気に症状が出ます。ダンパーオイルの残量と針の安定性は直結していますので、針のブレはオイル残量のサインと言えます。ただこれは今回の症状に対する見解ですので、針ブレ=ダンパーが全てではない事をご承知おき下さい。

オイル残量内部の状態・針の挙動
70~100%ダンパー室が健全に機能している状態。 スムーズに立ち上がり一定速度で安定する。微振動無し。
40~70%毛細保持部の油膜が切れ始め、微振動だけが吸収しきれない状態。
通常走行では安定しているが段差や加減速で一瞬揺れる、低速一定走行でチリチリした様な症状がみられる。針が踊り始める一歩手前。
15~40%針軸がほぼフリー状態でダンパーとして成立していない。流体抵抗が不連続。
常時ブルブル震え跳ねる様な動き。特定速度域で振れ幅が大きくなる。
ほぼ0%ダンパー機能ゼロ。磁石とアルミカップの基の挙動がみられる。壊れてはいないがメーターとして品位に欠ける状態。
ワイヤーの癖がそのまま表面化し、針が跳ねて暴れる。

 ダンパーオイルは量がちゃんと足りていて、油膜が効いている事で粘性抵抗が安定します。一般的にオイルと聞くと潤滑油をイメージしますが、ダンパーオイルは「抵抗を生む為のオイル」ですので、オイルが不足すると油膜が切れ、抵抗が断続的になります。この状態(抵抗が断続的)が「針が暴れる・踊る・振れる」の正体です。

 修理(オーバーホール)後は、Z400FX本来の滑らかで旧車メーターらしい味のある静か(滑らか)な動きが戻りました。

作業内容・部品等工賃部品代
機械式メーター修理50,000円
合計50,000円
消費税5,000円
総計55,000円
2026年2月現在

 近年のバイクメーターは液晶パネルでデジタル式が主流です。しかし昔のバイクメーターはデザイン性が強くとても多彩です。マシーンの持つ個性として存在感もありました。

 アナログメーターが主流だった時代バイクメーターの盤面はオーソドックスですが、時代によって様々な顔を持っていました。60年代後半にはスピードメーターとタコメーターが独立した2眼メーターが人気を得ました。Z1やZ2は夜間ライトを点けるとメーターの文字盤が透けて見えるシルクスクリーン印刷の透過照明式と呼ばれるメーターが採用されています。

 透過照明式のメーターは表示盤の裏側から光を当てて、文字や目盛り、針を透かして見せる照明方式の事を言います。別名バックライト照明とも呼ばれ、背面(裏側)から光を照射することで、文字や印刷された部分を明るく見せています。

 透過照明式の基本的な構造は「光源・表示板・針や目盛りの見え方の3つの要素で構成されています。Z400FXの様なクラシックバイクの場合は裏側に白熱球が設置されていますが、白熱球は文字盤全体をムラなくじんわりと明るい雰囲気を醸し出してくれます。シルクスクリーン印刷された数字や目盛りが透けて見え、視認性が高く特に夜間は美しいと言われていました。最近ではLEDに交換される方もいらっしゃいますがおおよその違いは下表の通りです。

白熱球項目LED
フィラメントを過熱発光原理半導体発光
電球色(暖色)光の色白・電球色など多彩
全方向に自然光の広がり指向性が強い
控えめ・柔らかい明るさ高輝度になりやすい
大きい消費電力小さい
多い発熱少ない
短い寿命非常に長い
Goo!!旧車の雰囲気Hmm(選び方次第!?)
影響を受けにくい電圧変動種類によってはちらつく
なし極性あり(逆だと点灯しない)
大きい車体側負荷小さい

 LEDは指向性が強い為明るい部分と暗い部分が出やすいのがデメリットになります。また高輝度タイプは文字が白飛びするというデメリットもありますが、電球色LEDをチョイスする事で旧車らしい琥珀色の雰囲気を醸し出す事は可能です。

 また最近では中国製のリプロ品が多く出回っていますが、制度は純正とは乖離しており様々な不具合を耳にします。細部の仕上げが粗かったりするくらいならまだしも、耐久性や制度に差がある事は看過する事は出来ません。雰囲気だけ(見た目だけ)なら確かにMade in Chinaでもいいかも知れませんが、メーターは「動かない」では済まされません。

 メーターユニット内のタコメーターが動かない場合は車検には通りませんし、スピードメーターの指針の誤差や許容範囲も設定されています。針が動かない場合や表示がおかしい状態は、そのまま使用走行する事は絶対に避けるべき状態です。

 実際の速度が確認出来ず法定速度を超過していればスピード違反で切符を切られるリスクもあります。トリップメーターが動かないくらい…と思う方もいらっしゃるかも知れません。しかし正常に動作していなければ、オイルを適切なタイミングで交換する事が出来ません。スピード超過や整備不良は命に係わる重大事です。

 バイクの顔であるメーターを純正から変更したくないと思われるライダーの方はたくさんいらっしゃいます。でも針が・・・見た目もなんだかくたびれてきた・・・。カワサキのZの様に人気が高くリプロパーツがあるのはまだマシと言えます。

 当り前ですがメーターも経年劣化致します。製造年代、保管状態などによって劣化の様相は様々です。メーターの状態によって出来る事は異なります。大々的な修理を必要とするケースもございますが、時にはメーターケースを分解してレストア(≒オーバーホール)する事でオリジナルの状態に近づける事が出来る事もございます。今回は部品交換等を行わずに原状回復する事が出来ました。

 これからも長く所有し中には一生付き合っていきたいと思う程の愛機をお持ちのライダーもいらっしゃることと思います。長く乗っているとどこかに何某かの不具合が出て来るものですが、メーターに異常や不具合がございましたら、お気軽に東伸自動車までお問い合わせ下さい。

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