ホンダ CB400SF VTEC SPECⅢ (BC-NC39)の液晶画面にひび割れ!メーターの文字が薄い、見えない!原因は経年劣化?寿命?焼き付き?液晶メーターの交換は門真市の整備士にお任せ!!

今回お預かりしたバイクはCB400SFのVTEC SPECⅢです。(CB400系は2022年に発売を中止しているので、今では中古車販売のみ)

長い間親しまれ、優等生・守備範囲が広い・基本に忠実、といったイメージがある高い信頼性を誇るバイクです!教習車としても全国で使用されているので、幅広い世代で馴染みの深いバイクでもあるのではないでしょうか?

そして今回はCB400の中でもVTECのモデルのバイクをお預かりしました。


≪VTECシリーズ≫  

◎Spec Ⅰ (発売 : 1999-2001)
◎Spec Ⅱ (発売 : 2002-2003)
◎Spec Ⅲ (発売 : 2004-2007)
◎Revo    (発売 : 2008-2022)  

参考サイト: HONDA CB400 公式サイト

VTECとは、ホンダが独自で開発したバルブ制御システムです。そしてこのVTECが初めて搭載されたのが、今回紹介するCB400SFです。

VTECの正式名称は「Variable Valve Timing and Lift Electronic Control」。回転数に応じてバルブの開閉時間を変えるシステムで、「低回転では燃費良く扱いやすい、高回転では吹けあがりが良く力強い」という二面性を両立させる事ができます。

運動性能、そして環境にも適応したロードスポーツモデルという事ですね。

スペックVTEC specⅢ
車体型式BC-NC39
エンジンNC23E型 4ストローク  水冷DOHC4バルブ 直列4気筒
最高出力39kW(53PS)/11,000rpm
最大トルク38N・m(3.9kgf・m)/9,500rpm
重量190kg
全長2040mm
全幅725mm

では早速故障の症状を見ていきます。

左右どちらの液晶も文字が視認できず、右側はうっすらと映っているだけです。

紫外線は普段使用するものや私たち自身に対しても影響を与えるのはご存知だと思いますが、バイクの液晶も例外なく影響を受けます。むしろ家の中で使う製品よりも、外で使用する頻度の高いバイクの方が紫外線からの影響は大きいと言えるでしょう。

バイクの液晶が紫外線で故障する原因は主に3つに分ける事ができます。


≪紫外線に影響される要素3つ

・液晶分子
・バックライト
偏光板

・液晶分子

液晶分子は何重もの構造になっている液晶画面の真ん中にあり、液晶パネルが動作する為の核になっている大切な箇所です。

まずは簡単に液晶パネル構造を見ていきましょう↓ この図の真ん中にある「液晶」が「液晶分子」の事です。

この液晶分子には液晶が機能するにあたってとても重要な特徴が2つあります!


①電圧によって分子の並び方が変わる
➁分子と同じ方向に光の向きを変える (分子が横になれば光も横向き、縦になれば縦向きに)  

この性質を活かすことによって、本来様々な方向に振れている光の向きを偏光板と同じ向きに調整することができます。

・バックライト

液晶分子以外にも、紫外線の影響を受けやすい部品があります。それはバックライトです。

バイク液晶画面で使われるライトは、実はほぼ100パーセントがLEDということはご存知でしょうか?過去に使われていたライトにはCCFL(陰極冷陰極蛍光灯)もありましたが、今では様々なメリットを考えてLEDが使用されています。LED自身は紫外線の影響を受けにくいという性質を持っているので、実際のところ紫外線の影響を受けて劣化するのはLEDではありません。紫外線の影響を受けるのは、LED周辺に使用されている部品です。

LEDのコンポーネント等が紫外線により劣化し、液晶画面が暗くなったり明るさが統一されなくなったりする症状が現れます。

・偏光板

そして最後、液晶パネルが故障する原因で最も多いのが偏光板です。

液晶分子で紹介した液晶画面の構造を見ていただければわかると思いますが、偏光板は液晶画面を構成している部品の中で最も外側に位置しています。つまり紫外線の影響を受けやすいという事です。

偏光板は液晶に文字を表示する為に、バックライトからの光の向きを制御する役割を担っています。紫外線の影響により劣化すると、文字が映らなくなったりひび割れたり、といった症状が現れます。

このように、バイクの液晶が見えなくなってしまうのには「紫外線の影響」がかなり深く関わっています。

では今回の故障個所の特定をしていきます。

前回の章でもご説明しましたが、液晶板の文字が見えない不具合で最も原因となっているのは液晶板です。今回お預かりしたバイクもそのパターンで、「液晶板が劣化している」と診断しました。液晶板を外す為に様々な部品を分解し、新品の液晶板と取り替えるという処置を施しました。

では分解、修理した後の様子を見てみます。

文字がはっきりと見えるようなりました!!

修理前の様子と比べると一目瞭然ですね。

動画でもご覧ください。

エンジンのオンオフをしてもしっかりと文字を見る事ができます。

これでこれからの運転も車検も安心して行く事ができますね!

今回は液晶板の劣化によって、文字が見えない+ひび割れの症状が現れていました。

このような症状が現れても、液晶板のみの交換で液晶画面を生き返らせる事ができる可能性もあります。液晶画面が見えないという不具合が起きた際には、まずは写真や動画付きで弊社の問い合わせフォームを送っていただくか、お電話でご相談下さい。遠方からの修理も受け付けております。

修理の流れは弊社HPのTOP「ご依頼の流れ」をご覧ください。

これから暑い夏が始まりますね…。ライダーの皆さん、もしかして自分だけ紫外線対策していませんか!?紫外線がバイクに与える影響は、液晶パネルだけではありません!バイクに長く当たり続ける紫外線は各部位に影響を与え、最終的には塗装のハゲや各パーツの劣化に繋がっていきます。

ライダーの紫外線対策ももちろん大事ですが、愛車であるバイクにもきちんと対策と保護をしてあげてください。

パーツの劣化だけではなく、バイクに付着した汚れを頑固なものに変えてしまう力があるのが紫外線です。バイクに付く汚れのほとんどの原因は埃や雨です。すぐに取り除けば問題ない汚れも、放置して紫外線が当たり続けると取り除く難易度が上がっていってしまいます。

≪バイク保護対策≫

・ガレージ
・屋根付き駐輪場

バイクを保護するのにやっぱり一番いいのはガレージです!

紫外線や雨風、雪等の外的要因を完全に遮断できますし、盗難防止にもなります。家にガレージが備わっている方であれば最高ですが、全員がそうというわけではありません。バイクのガレージを後付けで建設しようと思った時、どのくらいの価格になるのでしょうか?

バイク専用のガレージには簡易的なテントタイプと倉庫タイプがあるので、それぞれ見ていきます。

 テントタイプ倉庫タイプ
予算2~10万円30~100万円
メリット・手軽 ・安価・頑丈 ・防犯性が高い
デメリット・防犯性が低い ・吹き飛ぶ恐れあり・高価  

続いて屋根付きの駐輪場ですが、これを「サイクルポート」と呼びます。

街中で見かける事の多いものではないでしょうか?これは紫外線や雨風を比較的抑える事ができますが、完全に遮断できるわけではありません。また、設置には基本的に基礎工事が必要になってくるので費用とスペースがある程度必要です。サイクルポート以外にも、同じ役割を持つ「庇(ひさし)」というものもあります。サイクルポートとは構造が異なり、庇は建物の壁を利用して屋根部分のみを突き出すように設置させます。

比較してみましょう。

 サイクルポート
予算10~40万円5~25万円
構造支柱と屋根で独立した構造壁に固定された構造
設置場所敷地のどこにでも設置建物の壁に設置

このように保管時にできるだけ紫外線や雨風を防ぐ対策を取っておくと、バイクの劣化を防ぐことができます!

大事な愛車に長く安全に乗り続ける為に、自分ができる保護対策をうっていきましょう!